今回の記事では、シュガーマンの『全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術』について、わかりやすく解説していきます。

この本は、多くのコピーライターがオススメしており、普遍的なセールスコピーライティングのエッセンスがたくさん詰まっています。

ただ、コピーライティングの知識があまり無い方が読んでしまうと、混乱してしまうかもしれません。

なぜなら、細かい枝葉のテクニックの話が多いからです。

なので、この記事ではコピーライティングの大枠から、『全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術』のエッセンスを順番に解説していきます。

それでは早速内容に入っていきましょう!

「10倍売る人の文章術」は時代遅れのノウハウ?!

「全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術」は、まだWebが登場していない時代のテクニックも載っているので、「これは、今の時代だと使えないな~」という部分も正直ありました。

例えば、

  • ヘッドは短くしろ
  • 小見出しはそれほど重要でない
  • レターは短くしろ
  • といった部分です。

    これらのテクニックは、限られたスペースしかない「紙」での戦略ならアリですが、「Web」での戦略になると微妙です。(実際に、上記のことと真逆のことを言っているコピーライターも多くいますしね…。)

    なので、今回の記事では、本当に使えるエッセンス部分だけを抜き出して解説しています。

    「10倍売る人の文章術」を読む前に押さえておくべき3つのこと

    全米NO.1のセールス・ライターが教える 10倍売る人の文章術」では、使えるテクニックがたくさん紹介されていましたが、正直にいうと、一個一個のノウハウが散らばっている印象を受けました。

    いきなり本の内容に入ってしまうと、全体像が掴めずに混乱してしまう可能性が高いので、そうならないためにここでは全体像を話していきます。

    まず、人を動かす文章を書くためには、以下の3つの心理的ブロックを突破する必要があります。

    3つの心理的ブロック
  • 1. 読まない壁を突破
  • 2. 信じない壁を突破
  • 3. 行動しない壁の突破
  • 人間は興味が

    これらはセールスコピーライティングで超えるべき3つの壁です。

    セールスコピーライティングを書く上で超重要事項なので、分からない方は是非こちらの記事をチェックしてみてください。

    1. 『読まない壁』を突破するための4つのテクニック

    リズムを付ける(P125)

    コピーも音楽と同じでリズムが大切です。

    長いセンテンスばっかりだと、読者は疲れてしまいます。反対に、短いセンテンスばかりだと、幼稚なイメージを持たれてしまいます。

    ですので、長短さまざまな文を織り交ぜて、コピーにリズムを付けるようにしましょう。

    商品の本質を見つける(P165)

    お客さんは商品を欲しいわけではありません。商品を使って満たされる感情が欲しいのです。

    例えば「スタットレスタイヤ」が欲しい人は、何が欲しいか考えてみてください。

    ・・・

    ・・・

    分かりましたか?

    彼らは「スタットレスタイヤ」が欲しいわけではなく、『安全』が欲しいのです。

    ですので、セールスレターで攻めるべき部分は「スタットレスタイヤを履けば、いかに安全か」ということになります。

    商品説明をシンプルにする(P124、185)

    混乱した脳はNo!と言います。

    ですので、セールスレターでは、下記の内容をシンプルにするようにしましょう。

  • セールスレターの文章
  • 商品のポジショニング(分かりやすい立ち位置)
  • オファー(選択肢が多すぎるのはNG)
  • オファーの要点をまとめる(P137)

    人間は怠惰な動物です。

    ですので、セールスレターの終わり部分で、オファーの要点をおさらいするようにしましょう。

    特に長いセールスレターでは、このひと手間が、レターの成約率を大きく左右します。

    2. 『信じない壁』を突破するための14つのテクニック

    異論に先回りする/異論を解決する(P120、P150)

    読者が頭に思い浮かべる全ての疑問に答えていけなければ、信用を勝ち取ることができません

    また、商品やサービスの欠点をはぐらかすことなども信用が無くなってしまいます。

    ですので、読者が考えるであろう疑問点を、先回りして解決してあげるようにしましょう。

    相手の言葉を使う(P121、203)

    相手に馴染み深い言葉を使うことで、読者との間に「親しみ」の絆が生まれます。

    僕たちは、赤ちゃんや小さい子供と話すときには自然と出来ているはずです。

    例えば、

  • 車のことを「ブーブー」
  • 犬のことを「ワンワン」
  • などと言いますよね。

    これと同じことをセールスレターでも行うと、より反応が取れやすくなります。

    常套句を使わない(P124)

    常套句や決まり文句を使うと、途端に薄っぺらいレターになってしまいます。

    読者は「実は大していうことが無いから、無理して決まり文句を使っているんじゃないかな?」と思ってしまいます。

    あなたも海外映画の宣伝で「全米が泣いた」という言葉を聞いたことはありませんか?

    僕は、何度もこの言葉を聞いているので「本当かな~」と内心思ってしまいます。

    例)

  • 世界が待ち望んでいた商品です
  • 信じられないような話です
  • ストーリーを語る(P192)

    これは、『読まない壁』と『信じない壁』を一気に乗り越えることが出来る究極のテクニックです。

    ストーリーの書き方だけでも分厚い専門書があるくらい、深い内容なので、詳しくはまた別の機会にご紹介します。(「今すぐに知りたい」と思った方は『神話の法則』という本を読むことをオススメします。)

    ちなみにシュガーマンは、「ストーリーを語ることで、人間の温かさをセールスレターの中に加えることができます。」と語っていました。

    物理的事実を明記する(P132)

    これは、重量、寸法、速度などのスペックをちゃんと明記するということです。

    感情で買い、論理で納得する』という言葉にもあるように、感情を動かして購買意欲を高めるのは大事です。

    しかし、それだけではいけません。しっかりと、相手が論理的に納得できるよう、スペックを書いてあげましょう。

    相手をコーナーリングにじりじりと追い詰めるイメージで、買わない理由をつぶしていきましょう。

    具体性を持たせる(P142、P197)

    これは多くの有名コピーライターが同じことを言っています。

    セールスコピーライティングは、いかに読者の頭の中にリアルに、イメージさせてあげるかが大事です。

    読者に具体的にイメージしてもらうことで、『感情移入させる』ことができますし、『欲を刺激する(P155)』こともできます。

    ポイントは、必ず商品を持っている(使っている)ところを具体的に想像させることです。

    例1)【計算機の広告】
    この計算機を手に取ってみてください。
    キーの叩きやすさが分かりますか?

    例2)【車の広告】
    この乗り心地を体感してくだい。
    暖かな夜、あなたの紙を吹き抜ける風、
    回転するヘッドライト。

    アクセルを踏み込み、一気に加速すると体がシートに圧しつけられるのを感じます。

    ダッシュボードには美しく並んだ計器類。アメリカのスパー・スポーツカーのパワーと興奮を感じてください。

    このように五感に訴えるようなコピーを書きましょう。

    当事者意識を抱かせる(P147)

    当事者意識を抱かせるためには、読者にその商品をすでに所有しているかのように思わせます。

    それを所有していたら、どんな感じがするのかを順次説明しながら、読者に想像させるのです。

    例1)【トレーニング器具】
    トレーニング器具が届いたら、実際に試してください。

    まずは、おもりを調整します。
    そして、ベッドの下にラウ楽収納できることをご確認ください。

    例2)【オンラインのビジネススクール】
    まずはログインしてみてください。

    ●● に入会すると、会員だけが見ることができるページ に入ることができます。

    色んな動画があって、「どれから見ようかな…」と迷うかもしれませんが、 まずは『基本コース』から順番に見ていくことをお勧めします

    基本コースでは~~~

    このように、セールスレターを通して、自分自身が感じていることを、読者に同じように感じてもらいましょう。

    誠実さを打ち出す(P148)

    広告コピーに嘘を書いても、だませるのは自分だけなのだ。
    広告は伝えたいと思ったことを伝えてくれるが、隠したつもりのことも伝えてしまう。

    文章にさっと目を走らせるだけの相手にも、違和感だけは伝わるのだ。

    (引用元:シュガーマンのマーケティング30の法則

    「誠実さ」はシュガーマンが、もっとも大切なテクニックの内の一つと言っているくらい重要です。

    もし仮にデメリットがあったとしても、それを隠してはいけません。見方を変えればメリット変換することができます。

    例)
    最近僕が作ったビジネススクールのセールスレターを例に挙げましょう。

    このビジネススクールの料金は、初月は数百円で格安ですが、2か月目以降は通常価格の『12,000円/月』になってしまいます。

    そこで、下記のようにレターの中で正直に告白しました。

    ———————————
    2ヶ月目以降、12,000 円ということを聞いて一気に冷めたかもしれません…

    私もあなただったら、恐らくガッカリしたでしょう。 しかし、この金額は、私にとっても苦渋の決断でした。

    なぜなら、月額料金が多少高くなっても、気軽に質問できる環境を用意したかったからです。
    ~~~~~~
    ~~~~~~

    ———————————

    価値を証明する(P152)

  • 本当にこの商品はお買い得なのか?
  • このお金を払うだけの価値が本当にあるか?
  • という疑問に答えるために、サービスの価値を証明しましょう。また、商品本来の価値が上がれば、値下げと同じ効果を得ることができます。

    具体的な例でいうと『スペックの比較表』『他社との比較表』などがこれにあたります。

    購入の納得感を与える(P154)

    読者がセールスレターを読んでいる時に、考えていることは「本当にこれを買っても良いのだろうか?」です。

    ですので、僕たちセールスライターは、必ずこの疑問に答える必要があります。

    じゃあ、どうするのかと言うと、見込み客のニーズとウォンツに基づいて、納得できる理由をたくさん出しましょう。

    例)

  • 今だけ限定価格です
  • 購入できるのは〇月〇日までです。
  • 予防策ではなく解決策を提示する(P211)

    人は『予防』よりも、『解決』にお金を使います。

    ちょっと考えてみてください。
    AとBどちらが、歯医者に行く確率が高いでしょうか?

    A:虫歯にならないように定期健診に行かなくちゃな…
    B:虫歯で歯が痛い…

    答えは簡単でBですよね。圧倒的にBの方が財布のひもが緩いんです。

    つまり、僕たちセールスライターは『予防策』ではなく、『解決策』にスポットライトを当てて、ベネフィットなどを書き出すようにしましょう。

    権威付けを行う(P155)

    人はみんな間違いたくありません…

    人はみんな「自分の判断が正しい」と思いたいんです。

    そんな人間の心理を上手く利用したテクニックがこの『権威付け』です。
    (例:歯医師の98%が薦める歯磨き粉)

    ちなみに『信頼できる人に推奨してもらう(P133)』ということも、読者に信じてもらう手段として使えます。

    テレビCMで有名人などを起用するのも、この心理を利用しているんです。

    所属の欲求に訴える(P169)

    人はなぜベンツに乗るのでしょうか?

    答えはベンツを乗っている人のグループに加わりたいと無意識に考えるからです。

    これはアップル製品でも同じです。
    アップル製品を使っている、洗練されてオシャレな人達のグループに入りたいからアップル製品を買うのです。

    このように、上手く所属の欲求に訴えられることが出来れば、読者は面白いようにモノを買ってくれます。

    収集の欲求をくすぐる(P172)

    これは人間の本能です。

    この人間の性質を上手く使っているな~と思っている会社があります。

    それは「ディアゴスティーニ」です。

    毎月付録のパーツを組み立てていき、全55回とかで付録を完成させていきます。1号を買ってしまったら、2号も買わなくちゃとなってしまい、結果できに最後まで買ってしまうという…(これを僕は「ディアゴスティーニ戦略」と言っています。)

    この「ディアゴスティーニ戦略」はセールスレターで使うというよりかは、マーケティング段階で使うのがベターだと思います。

    例えば、情報商材の場合は、メインコンテンツの最初の部分だけを無料で配布して、「続きが欲しい人は購入してください」という流れにしている人が多いですよね。

    3. 『行動しない壁』を突破するための5つのテクニック

    リスクリバーサル(保証)(P126、P132)

    お試し期間や返金保証などのアフターサービスをちゃんとつけるようにしましょう。

    これらはいわゆるリスクリバーサルの一つですね。

    消費者が購入時に触ったり、感じたりできない商品は、試用期間や返金保証などを付けて、読者のリスクを極限まで下げるようにしましょう。

    ちなみに試用期間が長ければ長いほど、返品の可能性が減り、消費者の信頼が増すことが実証されています。

    反対に試用期間を1週間などに短くしてしまうと、あなたは1週間でどうするか決めなければいけないので、効果があるかどうか迷ったら返品してしまいます。

    試用期間が長ければ、早く決めなければいけないというプレッシャーはありませんし、そのサービスに対して好感さえもちます。

    そして、いつの間にか返金することなど忘れてしまうのです。

    満足を確信させる(P161)

    見込み客が、リスクリバーサル(保証)を読んだときに、

  • そこまでやって大丈夫?
  • 気前が良すぎて、赤字になってしまわないだろうか?
  • と思ってもらえれば合格です。

    こうすることで、読者は「商品に圧倒的な自信があるんだな」と思ってくれます。

    例)満足できなければ、いつでも全額返金保証!

    注文しやすくする(P138)

    「フリーダイヤル」、「クーポン」、「切り取り式の申し込みハガキ」などを使いましょう。

    チラシでも、切り取り線を付けたクーポンなど良く見かけますよね。

    あと、忘れがちですが『最後にオファーの念押しをする(P138)』というのも重要なので、ちゃんとダメ押しするようにしましょう。

    切迫感をもたらす(P179)

    要するに締め切りを設けるということです。

    人間は迷ったら、「とりあえず考えておこう…」と放置してしまう生き物です。

    ですので、期限などを設けるようにしましょう。

    例)

  • 〇月〇日まで割引価格で販売
  • 〇名様までしか販売しません。
  • すべての特典がGETできるのは〇月〇まで
  • 希少性をアピール(P182)

    希少性ということをアピールするだけで、そのサービスの価値が上がります。

    ポケモンをやったことがある人なら分かると思いますが、ポッポが出てきたときと、スイクンが出てきたときのテンションは明らかに違いますよね?

    「良くいるポケモン」と「レアポケモン」だと、圧倒的にレアポケモンの方が価値が高くなります。

    例)

  • 限定品
  • 特注品
  • 最初の〇名様までしか販売しません。
  • この記事で学んだこと

    これまで紹介してきたテクニックをまとめるとこのようになります。

    1. 読まない壁を突破するテクニック(4つ)
  • リズムを付ける(P125)
  • 商品の本質を見つける(P165)
  • 商品説明をシンプルにする(P124、185)
  • オファーの要点をまとめる(P137)
  • 2. 信じない壁を突破するテクニック(14つ)
  • 異論に先回りする/異論を解決する(P120、P150)
  • 相手の言葉を使う(P121、203)
  • 常套句を使わない(P124)
  • ストーリーを語る(P192)
  • 物理的事実を明記する(P132)
  • 具体性を持たせる(P142、P197)
  • 当事者意識を抱かせる(P147)
  • 誠実さを打ち出す(P148)
  • 価値を証明する(P152)
  • 購入の納得感を与える(P154)
  • 予防策ではなく解決策を提示する(P211)
  • 権威付けを行う(P155)
  • 所属の欲求に訴える(P169)
  • 収集の欲求をくすぐる(P172)
  • 3. 行動しない壁を突破するテクニック(5つ)
  • リスクリバーサル(保証)(P126、P132)
  • 満足を確信させる(P161)
  • 注文しやすくする(P138)
  • 切迫感をもたらす(P179)
  • 希少性をアピール(P182)
  • 今回の記事はだいぶボリューミーになりましたが、どれも重要で使えるテクニックばかりなので、使いこなせるようにしましょう。