今回、紹介する本は『予想通りに不合理』です。

この本は「心理学」と「行動経済学」の教授であるダン・アリエリーが書いた本です。

そんな彼の著書『予想通りに不合理』では、『いかに僕たちは「合理的」ではなく、「不合理」に考えているか』ということを腹の底から理解できます。

そして、この本を読むことで、セールスコピーライティングのテクニックの裏側を知ることができます。

もし、あなたがセールスコピーライターを目指しているなら、特に1章、2章、8章は読んでおくことをオススメします。

忙しい方もいると思うので、この記事では本の概要を5分で理解できるようにしています。それでは内容に入っていきましょう!

【要約】5分で理解する『予想通りに不合理』

本書で、ダン・アリエリーが一貫して主張していることがあります。

それは、『人間は「合理的」ではなく、めっちゃ「不合理」だよ~!』ということです。

例を挙げて説明していきましょう。

人は「相対的」にしか物事を判断できない。(1章)

人は、他のものとの相対的に比べることで、物事を判断しています。

例)
フツメン」はイケメンの集団に入るとブサイクに見えます。しかし、ブサメンの集団の中に入るとイケメンに見えてしまいます。

このように「フツメン」は、周りの集団によって「イケメン」にも「ブサイク」にもなります。

こちらの記事で、さらに詳しく説明しているので参考にしてみてください。

僕たちはアンカリングに影響される(2章)

アンカリングとは、初めに提示された情報が、今後の決断に影響を及ぼすことを言います。

例えば、こういうのがアンカリングの代表例です。

通常価格だと15,000円ですが、今だけ限定で、15,000円9,800円!!

初めに15,000円という高い金額を出しておくことで、消費者にアンカリングがかかります。この状態で、先ほどよりも安い金額を提示すると、消費者は「安い!」と感じてしまうのです。

これは、先ほど紹介した人間が「相対的」にしか判断できないという性質も上手く利用していますね。

「無料」と言われると正常な判断ができなくなる(3章)

たいていの商取引には良い面悪い面があります。

しかし、何かが「無料」になると、僕たちは悪い面を忘れさり、無料であることにテンションが上がり、そのものを実際より価値があるものだと思ってしまいます。

例)【無料クーポン】

最近、ソフトバンクが、ソフトバンクユーザーに対して「吉野家1杯 無料!」というクーポンを発行しました。

その『無料クーポン』が使える日に、たまたま吉野家の前を通ったところ、店の外まで大行列が出来ていました。

ざっと見た感じ、30分以上並ばなければいけないような状況でした。

普通であれば「30分以上待って380円が無料になるくらいなら、あまり得では無いな…」と考えそうですが、実際は『無料』という甘い言葉に釣られた人が大勢いたのです。

一度手にしたら、それを手放したくなくなる(8章)

人は自分が持っているものに惚れ込んでしまう性質があります。

例)いつか着る、いつか使うと思って、なかなか家のものが捨てられない。

また、人は「手に入るもの」ではなく、「失うかもしれないもの」に注目してしまいます。

例)
着ない服を売ろうとするときを想像してください。

「お金が手に入る」とか「部屋がスッキリする」というような手に入るものはあまり注目しませんよね。

そのかわり、思い出の服を失うことの方に注目してしまいます。

何かを失う恐怖>何かを得る願望』という人間の性質を活かしたマーケティング手法は、僕たちの身の回りにたくさんあります。

例として「おためしキャンペーン」や「Take away selling(テイクアウェイセリング)」などが挙げられます。

「思い込み」が意志決定に影響される(10章・11章)

人は「予想した」側面しか見ない傾向があります。これは「起こった出来事・事実」は変わらないのにも関わらずです。

例1)
AとBの2つのハンバーグがあります。

A:ゴージャスな雰囲気のレストランで、スーツをパリッと着こなした男性ウエイターが運んできたハンバーグ。

B:大衆食堂で、プラスチック製の安っぽい皿に盛りつけられたハンバーグ。

どちらも同じハンバーグだったとしても、Aのハンバーグの方が美味しく感じてしまいます。

例2)
超一流のバイオリニストが、通勤ラッシュの駅前で演奏しても、足を止める人は5%も居ませんでした。

例3)
高い価格の頭痛薬は、安い価格の頭痛薬よりも、より効き目がある。

これは、「高いものの方が良いだろう」という思い込みによって引き起こされている現象です。(これはプラセボ効果と言われていますね。)

これらのことから、サービスの品質や満足度は、「金額の高さ」「サイトの綺麗さ」、「パッケージデザインの綺麗さ」などによっても変わってくる可能性があるということが分かると思います。

この記事で学んだこと

僕たちは「合理的」に選択して行動しているように思っていますが、実際のところはメッチャ「不合理」な選択・行動を繰り返しています。

不合理の例としてはこれらが挙げられます。

不合理な選択・行動例
  • 人は「相対的」にしか物事を判断できない。(1章)
  • 僕たちはアンカリングに影響される(2章)
  • 「無料」と言われると正常な判断ができなくなる(3章)
  • 一度手にしたら、それを手放したくなくなる(8章)
  • 「思い込み」が意志決定に影響される(10章・11章)
  • これらの不合理性を理解しておくことで、マーケティングや、セールスコピーライティング、価格の見せ方などを工夫することができるでしょう。

    さらに深く理解するために、この関連記事を読むことをオススメします。