こんばんは。
セールスコピーライターの草場です。
今回は『神話の法則』についてです。
あなたは大好きな漫画や映画はありますか?
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実は、人の心を鷲掴みにするストーリーには、ある一定の法則があるんです。
そして、その法則こそが『神話の法則』と言われるものです。
例えば、
「ドラゴンボール」や「ワンピース」。これらは、『神話の法則』にバチッと当てはめることができます。
また、ハリウッド映画やディズニー映画も、この『神話の法則』に則ってストーリーが展開されているものが、かなり多いんです。
この『神話の法則』に当てはまらない脚本は、「ヒットする可能性が低くなるから!」という理由でボツになることも平気であるそうです。
今回は”魅了するストーリー”を作るために欠かすことができない『神話の法則』について映画「千と千尋の神隠し」を使って徹底解説していきます。
なぜ『神話の法則』を学ぶべきなのか?
なぜ神話の法則を学ぶべきかというと、人を惹きつけるストーリーを書くことができれば人生が豊かになるからです。
かなり大きなことを言っちゃってますが、本当の話です。
例えばビジネスの場面を挙げましょう。
こういったもので人を惹きつけることができれば、どうなると思いますか?
お客さんは、あなたや商品に共感できるので、買ってくれる確率がグンっと上がるのです。(実際にそういう例はいくつもありました。)
もちろんストーリを書く時に嘘を書いてはいけません。しかし、事実にもとづき、この『神話の法則』に上手く当てはめて書くことができれば、お客さんの反応が全く違うものになります。
また、仕事だけでなくプライベートでも役に立ちます。
例えば、小さい子供がいれば、即興で物語を作り、寝かしつけることだってできます。
『神話の法則』を理解していれば、次にどういった要素を盛り込むべきか分かるので、ある程度それっぽい物語になります。
夜寝る時に子供に即興ストーリーを語ってあげれば子供にとっては楽しいし、あなたもストーリーテリングの勉強になるので、この方法はおすすめです!笑
『神話の法則』ってなんぞや?
いよいよ『神話の法則』についての解説していきます。
クリストファー・ボグラーが2002年に出版した、人を惹きつけるストーリーを作るために手引書のことです。
この手引書は「神話学者ジョーゼフ・キャンベルの研究」と「心理学者ユングの研究」をもとに作り出されており、下記の2つを解説されています。
そして今は、『神話の法則』は『ヒーローズ・ジャーニー』のことを指しているケースがほとんどです。
では『神話の法則(=ヒーローズ・ジャーニー)』を詳しく見ていきましょう。
『神話の法則(=ヒーローズ・ジャーニー)』はこの12個のパーツから成り立っています。
(※「イニシエーション」とは、ある集団や社会で、正式な成員として承認されること。また、その手続きや儀式のことを指します)
これだけだとイメージしにくいと思うんで、「映画:千と千尋の神隠し」を例にあげて解説していきます。
①日常世界
ヒーローが日常の世界にいるところが紹介される
たいていの物語は、主人公にとって新しい未知の世界へと舞台を移します。
②冒険への誘い
主人公に問題、挑戦、冒険が与えられる。
③冒険の拒否
主人公は最初は乗り気ではない。(冒険の入り口で尻込みすることが多い。)
④賢者との出会い
主人公は賢者に勇気づけられる。もしくは自分の内面に勇気や知恵を見出す。
賢者は主人公にできるだけ付き添うが、最終的には主人公は自分で未知に立ち向かわなければならない。
泣いて困っているときに、この世界に住む少年ハクと出会う。
⑤戸口の通過
主人公が自分の世界の戸口を出て行き、初めて物語の特別な世界へ入っていく。
この瞬間から物語は動き出し、冒険が進み始める。
そして、ハクは「釜爺に会って、何が何でも仕事をもらいなさい」とアドバイスする。
千尋は自分ひとりで釜爺を目指して歩いていく。
⑥試練、仲間、敵
主人公が試練や支援者に出会う。
主人公は特別な世界で「仲間」と「敵」を作り、訓練の一環として試練や挑戦を乗り越えていく。
⑦最も危険な場所への接近
最大の試練に向けて準備を整える。そして主人公がついに危険な場所にやってくる。
⑧最大の試練(中間地点)
主人公が最大の試練に耐える
主人公がどん底(死ぬかもしれない状況)から生還することで、新しい人生がやってくる。
この事件によって観客は主人公と一体化する。
⑨報酬
死をまぬがれ、試練に打ち勝った主人公は、報酬を手にする。(宝、聖杯、大地を癒やす霊薬、好きな女性などがあげられる)
⑩帰路
主人公はまだ森から出ていない。
ここで派手な逃亡劇となることもある。
千尋はハクに不思議な団子を飲ませて助けるが、ハクは衰弱してしまう。千尋はハクを助けたい一心で、危険を顧みず銭婆のところへ謝りに行くことを決意する。
さらに同じころ湯屋にカオナシがやってきて、従業員を飲み込んで暴れる。
千尋は不思議な団子をカオナシに飲ませて従業員を吐き出させた後、カオナシとネズミになった坊を伴って銭婆の家へと向かう。
⑪復活(クライマックス)
主人公は冒険の体験で変化を果たし、特別な世界から出てくる。
ここで『⑧最大の試練』のような場面がもう一度出てくることが多く、主人公は再び死に直面して生き返る。
そして、さらに高い次元の人間として完成される。
湯婆婆は、油屋の前に集めた豚の中から両親を言い当てろと難題を課す(再度、大きな試練)。
千尋はこの中に両親はいないと正解を言い当てる。
⑫宝を持っての帰還(大団円)
主人公は日常世界に戻ってくるが、報酬あるいは特別な世界で学んだ教訓を持ち帰ってくる。
そして人間に戻った両親は、最初のトンネルの前で、なにごともなかったかのように待っていた。そして千尋は、もとの世界に戻っていく。
『神話の法則』をつかうポイント
『神話の法則』を上手く使おうとして、失敗してしまう良くあるパターンは、、、
1〜12の要素をすべて入れようとすることです。
映画を『神話の法則』に当てはめて貰えば分かりますが、12個すべて満たしていないケースも当然あります。
ですが、大まかな流れが『神話の法則(ヒーローズ・ジャーニー)』に則っています。
なので、あなたは、無理やり12個の要素をつなげるのではなく、あくまで自然になるようにストーリーを組み立てるようにしましょう。
何で「神話の法則」はこんなにも人を惹きつけるのでしょうか?
その理由は、人間の成長パターンと同じ流れだからです。
実は、人間は「神話の法則」の1〜12の流れを螺旋状の登っていっているのです。
ちなみに螺旋敵に成長していくの人間だけではありません。世の中のありとあらゆるものは螺旋的(弁証法的)に成長しています。
この記事で学んだこと
神話の法則をまとめるとこのようになります。
最初はしぶしぶ〈戸口の通過〉を果たすものの、〈試練、仲間、敵〉に出会っていく。
〈最も危険な場所〉にたどり着いた主人公は〈最大の試練〉に打ち勝つ。そして〈報酬〉を手に入れ、追いかけられながら自分の世界への〈帰路〉につく。
主人公は自身の体験によって〈復活〉し、生まれ変わる。
そして、自分の世界に恩恵をもたらす〈宝〉をもって〈日常世界〉に〈帰還〉する。
もしプロフィールなどを書く場合は、この流れを意識して書くようにすると反応があがるはずです。
また、普段の映画もこの神話の法則に当てはめてみることで、ストーリー作りの練習になるので、かなりおすすめです。