今回、紹介する本は『伝説のコピーライティング実践バイブル(ロバート・コリア―著)』です。
学生時代に使っていた英和辞典に負けないくらい、分厚くズッシリ重い本でしたが、内容は読みやすかったです。
この本の著者であるロバート・コリアーが生きた1895年~1950年は、まさしく動乱の時代でした。
「第一次世界大戦」、「第二次世界大戦」、「大不況」、「世界恐慌」などが起きている中、ロバートコリア―は売れるセールスレターを書き続け、莫大な財産を築きました。
(実際にロバートコリア―は『史上最も売れる言葉を生み出した男』と言われています。)
そんな彼の著書である『伝説のコピーライティング実践バイブル』を、この記事では分かりやすく解説していきます。
■目次
『伝説のコピーライティング実践バイブル』の立ち位置は?
この本は、初めてコピーライティングを勉強する人向けの本ではありません。
それよりかは、「すでにセールスレターの書き方を一通り勉強したけど、あまりうまく書けない…」という人向けです。
なぜなら、この本は、セールスレターの成功事例集(スワイプファイル集)だからです。
ですので、もしあなたが「セールスコピーの書き方が分からない…」という状況なら、理論が順番に説明されている『ザ・コピーライティング』を先に読んだ方が良いでしょう。
『伝説のコピーライティング実践バイブル』の根幹部分はどこか?
『伝説のコピーライティング実践バイブル』は全26章あります。
このうち、1章~9章は理論の話がメインとなっており、この理論部分を要約していきます。
なぜなら、ここさえ押さえておけば、残りの10章~26章を辞書のように、自由に使いこなすことができるからです。
それでは早速内容に入っていきましょう。
レターの必須6要素とは?(9章参照)
「レターの必須要素」は教える人によってバラバラですが、ロバート・コリア―が考えるレターの必須6要素はこちらになります。
相手の関心事に合わせた『書き出し』で「注意を引き」、「好奇心を掻き立て」、続きを読ませる。
【2. 描写や説明】
提案するものをイキイキと描写する。(まず大枠を述べて、それから必要な詳細に入る。)
【3. 動機や理由付け】
サービスを欲しいと思わせたり、行動するように駆り立てる。説明するのは、提案しているものではなく、それが相手にとってどう役立つのかということ。(ベネフィットを提示)
【4. 保証や証明】
「こちらの言っていることが本当だ」という証拠を示すか、「満足していただけなければ全額返金保証」で信頼を勝ち取る。
【5. 決めての一言&不利益】
「今すぐ行動しなければ、お金や評判、あるいは自分のものになるためのチャンスを失う」と不安な気持ちにさせて、今すぐ行動させる。
【6. 結び】
この時して欲しいことと、やり方を伝え、今すぐ行動してもらうようにする。
それぞれに対して詳しく解説していきます。
レターの必須6要素をそれぞれ詳しく解説!
「1. 書き出し」は相手の欲しているものを提供しろ!(1章参照)
セールスレターを書くことは『魚釣り』と同じです。
売れないセールスライターは、「釣り竿」一流のものにしたり、「リール」を最新型にしてしまいますが、これでは魚を釣ることができません。
売れるセールスライターになるためには、狙った魚が食いつく「エサ」を熟知する必要があります。
つまり、セールスライターが書き出しで考えるべきことは「相手をその気にさせるエサは何か? そのエサにこちらが提供するものをどう結び付けれるか?」です。
言い換えると…
『相手の立場に立って考える。そして、相手が欲していることを提供する。』ということが重要になります。
そのためにも、リサーチはしっかりと行いましょう。
※テクニックに走りすぎると、こういった基本的なことを忘れがちになってしまいます。ですので、しっかり理解して、実践できるようにしましょう。
「2. 描写や説明」はイキイキと描け!(1章参照)
「1枚の写真」は「1000もの言葉」に匹敵する。
そして、「言葉によって描かれた鮮明なイメージ」は、「1000もの写真」に匹敵する。
※言葉によって描かれたリアルなイメージは、相手が自分自身の想像力で書いた絵なので、世界一の写真家が取った写真よりも、説得力があります。
描写や説明は、分かりやすく簡潔な言葉でイキイキと描きましょう。そして、こちらのサービスを、相手の頭の中にリアルに描かせることが大事です。
言い換えると、自分の頭に中にあるものを、相手の脳内スクリーンに劣化せずに映し出すことが大切なんです。
まずは、相手がすぐに分かること、よく知っているようなことを取り上げていきます。そうしながら、ここで1つ、あそこでまた一つ、という風に肝心な点を加えていき、イメージするものを完全に描くようにしましょう。
これは家を建てることと同じです。まずは「土台」を作って、そこから「床」「窓」「ドア」「屋根」などを加えていって完成させますよね。
文章を書くときも、「大枠」を伝えてから、「詳細」をメタファーを使って描写するようにしましょう。
また、つらつらと説明していくより、ストーリー仕立てにすることで、相手を引き付けることができます。
何かの説明書を読むより、小説でストーリーを読むほうが何百倍も楽しいですもんね。
「3. 動機や理由付け」は感情と理性の両方に訴えろ!(2章・5章参照)
人間は自動車みたいなものです。
押したり引いたりして動かすこともできますが、本人の内なる原動力に火をつけて動かすこともできます。
本人の内なる原動力に火をつけるための燃料は『なんとしても欲しいと思い気持ち』しかありません。
購入(もしくは行動)してもらうためには、私たちが提供しているサービスに対して、
という気持ちを、相手に起こさせる必要があります。
そして、こういった「欲しい!」という気持ちを起こさせるためには、『理性』だけでなく、『感情』にも訴える必要があります。
相手の立場に立って、「それによって得られる快適さ」、「満足感」、「利益」などを考えましょう。そして相手の視点で、これらのベネフィットを伝えましょう。
例)
※上記の例はかなりざっくりとしてますが、実際はもっともっと具体的に書くようにしましょう。
よく『人は感情でモノを買って、論理で正当化する』と言いますが、まさにこの通りです。
つまり、ベネフィットで相手の感情を揺さぶり「これ欲しい!」と思わせます。そして、買うことを正当化できるような理由を提示することが大事なんですね。
「4. 保証や証明」は自信を見せて、相手のリスクを取り除け!(6章)
どんなセールスレターでも、証拠か根拠を盛り込む必要があります。
なぜなら、消費者は基本的に信じないからです。
なので、「実際に買った人の声」を証拠として使ったり、「全額返金保証」を付けてサービス品質の根拠を謳ったりしましょう。
「5. 決めての一言&不利益」で、そっと背中を押せ!(7章・8章)
これまでの流れで、読者はセールスレターの内容を信じたかもしれません。しかし、読者は基本的に「慎重」で「面倒くさがり」なので行動を起こしません…
なので、僕たちセールスライターはそっと読者の背中を押してあげる必要があるのです。
具体的には下記の2つを行うようにしましょう。
(例1)〇月〇日までにお申し込みいただければ、割引価格でご提供できますが、〇月〇日を過ぎてしまえば、通常料金でのご提供となってしまいます。
(例2)残り僅か10セットです。~~
このように人間が持っている『損をしたくない』という感情をくすぐるようにしましょう。
「6. 結び」は取るべき行動を明確に指示しろ!(8章)
結びは、結局何をするべきかを明確に伝えるようにしましょう。
相手の判断に任せてはいけません。なぜなら人間はだれでも考えることが嫌いだからです。
この例のように、読者は何をすべきかしっかり指示してあげるようにしましょう。
ただし、今すぐご注文ください。
この本の在庫はわずか2700部、次の重版分は最低でもこの倍の値段になります。
ですので、この手紙に現金を添えてお送りください。
また、効果的な結びは「説得する」ということと同時に「動機付け」を行っています。
結びで行う「動機付け」では、『注文することで手に入るベネフィット』、『注文しないことで失うチャンス』などを再度描くようにしましょう。
この記事で学んだこと
この記事では、ロバート・コリア―が語っていたセールスコピーライティングの基礎をギューッとまとめています。
60年以上前の本ですが、いまだに色あせない普遍的な真理が語られており、実際に色んなコピーライティングのプロたちも同じようなことを言っています。
そして、この理論を上手く発動させるためには、『相手の頭の中に入り込む』ということが必要不可欠です。
このように相手の立場に立って、相手の感情が自分でも感じれるようになれば、あなたのセールスレターの成約率は爆発的に上がるでしょう。